ゆめみたい。



2023年10月16日、初めて1人で渋谷に行って、初めてスタンディングを経験して、初めてdipさんのビートで音楽と遊ぶBimiと一緒に身体を預けて、初めてデビューの時を目撃した。

 


25年間生きてきて初めてである。脱退や卒業や不本意なデビュー発表はたくさんたくさん経験してきたが「苦しい思いをしてきたのは全部これのためだったのか」と腑に落ちるような報われたような感覚と湧き上がる衝動と共にO-EASTで拳を突き上げた。

 


廣野凌大を知ったきっかけは阿部顕嵐の25歳お誕生日企画(YouTubeで24時間夜食に無言でステーキを焼く阿部顕嵐やベッドで本を読む阿部顕嵐やベッドでマジで寝てる阿部顕嵐や20回くらい目覚ましが鳴っても一向に起きない阿部顕嵐やロケに行って撮り溜めた阿部顕嵐の映像を流す企画です。残念ながらもうアーカイブは残っていません...)だった。その前にはもうtrack3を見ていて「誰がどう見ても波羅夷空却だろ...」と思っていたが廣野凌大の人との関わり方を知ったのはこれが初めてだった。インライコラボみたいに上下に分かれてる10分に満たないであろう映像でクライナーを5本くらいキメていた。怖い。眠そうな目が睨んでるみたい。怖い。グレーの前髪からクライナーをキメる度に黒くて大きい目がこっちを向いていた。怖い。前述の企画のオープニング曲(オープニング曲がある)を作ってくれた話題になった時、にっと笑って「一緒に曲作ろうよ」って言葉だけが耳に残っている。かっこいい。それからなんやかんやあってちょっと疲れた僕を音楽と映像で殴ったあと抱きしめてくれたTaiはいつ見ても新鮮にとべて怖くてかっこよくて大好きだ。

 


僕の人生にふらっと現れた無邪気で酒飲んで人が大好きでタバコ吸ってどこまでも優しくてギャンブラーで等身大の想いを辛めの言葉で紡ぐ同い年の廣野凌大が好きだ。廣野凌大と書いたのが正解だとは思わない。言葉を紡いだ作詞者はBimiかもしれないけど廣野凌大の基盤の物事の捉え方や考え方の上にBimiがいて声や歌詞で代弁して飛んで跳ねて音と遊んでると僕は思っている。そこの境界線をいつか聞きたい。作詞してる時の頭はBimiなのか、廣野凌大なのか。

 


廣野凌大のファンに対しての在り方が好きだ。インタビュー記事を漁ると「俳優業が好きだ」「音楽もやりたい」の中に「辞めようと思った」「なんでも出来ちゃうから取り柄がない」ってネガティブワードもざくざく出てくる。こっちを全く不安な気持ちにさせない言い方で。「俺を応援してくれてる人に寂しい思いはさせたくない」って本気で思ってる。だから接触イベントでは顔を覚えるしライブでは目線で「盛り上がってる?」「楽しいね」ってレスポンスが出来る。インタビュー記事を読んでる人も曲を聞いてる人も舞台を見に来た人もライブで飛び跳ねてる人も誰も置いていかない。去る人は追わないけど来てくれた人には思いっきり甘えさせて愛をくれる。ライブ中、体調不良になってしまったお姉さんの背中をさすったり、抱きしめたり、優しくて寄り添ってくれて「わたし」を必要としてくれて誰一人として取りこぼさない。

 

インタビューやインライや楽曲で苦しい思いを強い言葉で蹴っ飛ばすから見てて爽快だし実力も運も相当あるし、対人間との向き合い方の塩梅がすごく上手だから愛されるんだと思う。あったかい愛を知ってるからこっちにも返してくれるし彼から愛をもらったからまた愛を伝えて...って愛の連鎖の強度が想像の何倍も強くてすごいなって感じた。

 

何がlastなのか分からないまま謎のカウントダウンが始まって、でもインライで「会えなくなったりはしない」って言ったり、当日侑くんとの新曲や所々で希望はあってのデビュー発表映像。冒頭にもあったがデビュー発表の場にいるのは人生初だ。Bimi Major Debutって出た時嬉しくて、幸せで、少し悔しくて、その感情が一気に溢れてきた。1秒は嬉しくて、1秒経つと悔しくて、1秒経つと幸せになった。デビュー発表の場にいれたことが嬉しくて、この前のライブに行けなかったのが悔しくて、愛に溢れたこの箱の中にいれた事実が、これから一緒に夢を沢山見れることが幸せだった。そんなよく分からない感情の中、「騙してごめん。」って経緯を吐露して始まったデビュー曲「babel」。Bimiの楽曲はただでさえダブルミーニングがたくさんあって歌詞を見ないと分からないのだが感情が高まったのもあって全く聞き取れなかった。腰を折って訴えかけるように、でもちゃんと客席を見ていて、よく分からない感情のままタオルで涙を拭きながら腕を振っていたら人の腕の間から黒いピカピカの衣装で髪は銀色で色気ダダ漏れなのにまっすぐ優しく柔らかく微笑んでくれて、「苦しいよね。でも大丈夫。」って確かに目がそう言っていた。ほんとに誰1人置いていかない。Bimiと、みんなで夢をずっとずっと、出来れば長い時間。一緒に見ていたいなって思いました。デビューおめでとう。


f:id:tayamadesukedomo:20231019160102j:image

f:id:tayamadesukedomo:20231019160219j:image